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イベントレポート
2022.03.24
Chase the Dark 2022
2022年度の「Chase the Dark」は一昨年、昨年と、日本ではCOVID-19パンデミックの緊急事態宣言は解除されたものの、国内の特定地域において蔓延防止措置が取られる中での実施となりました。「Chase the Dark」イベントはオーストラリアから西廻りで世界都市のサンセットの時刻に、その年のテーマに沿って撮った光の写真や短い動画をInstagramにアップしていき、世界を光で繋ぐという企画です。パンデミック以前は、世界各地のIALD関係者が各国内でオフラインイベントが行われ、その様子をSNSを通じて窺い知ることができました。しかし、昨年は各々の国内であってもオフラインイベントができず、イベントの国内開催方法もオンラインへと移行していきました。今年は、日本国内においてもIALD Japan事務局内にて、感染予防措置に十分に配慮し人数を制限して開催、また会場参加できない参加者はオンライン参加で、イベントを開催しました。
2022年のテーマは ‘Only use light where you need it’ でUVライトやフラッシュライトに反応する媒体を利用して、非日常の光を各国のIALD関係者が思い思いに発信しました。日本からは、UVトナーで作られたブラックライトで光る蛍光折り紙で折り鶴を作ったり、100円ショップでも購入できるパーティー用の光る腕輪を壁に装飾したり、ジェルネイルで発光するネイルの写真など、暗闇を楽しむグッズが沢山あることを再認識しました。そして、ブラックライトで光る飲料水と共に暗闇に浮かぶ幻想的な乾杯をしました。英国ではノーマスクでオフラインイベントが開催され、ブラックライトで光る蛍光ペンで描かれた絵画の写真がアップされました。メキシコからは空間の中でDJが奏でるリズミカルなサウンドがブラックライトと同調する動画がアップされていました。早くも脱COVID-19の日常を回復している姿を、アップされた写真から窺い知ることができ、来年こそは日本でもリアルイベントを開催したいと思いました。
IALDはグローバルな組織団体で、世界各地の支部の交流はオンライン・オフライン共に活発に実施されてきました。COVID-19はそんな日常に影を落としましたが、一方で照明デザイナー集団らしく、それはそれでいかに「光」で世界を繋げるか創意工夫をしてコミュニケーションを育む組織であることを改めて実感しました。現在では、一部の国ではマスク着用の義務化が廃止され、マスク無しの人々の表情に向き合える状況になっています。日本も近い将来、そんな状況に回復できるよう期待しつつ、これからも光が国境を越えるように、海外のメンバーとのコミュニケーションを継続していきたいと感じました。(小西 美穂)