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2022.09.1

第4回学生向けセミナーレポートとQ&A

Activityページをご覧ください➡のぞいてみよう!照明デザインvol.4 (ialdjapan.jp)

 

学生の皆様へ:

聴講された学生の皆様より届いた質問に、今回登壇したデザイナーが回答しています。

是非参考にしてください。

 

Q1. 照明には暖色系や白っぽい色があると思いますが、どんな色を使えば魅力的な空間に

なるのか、場所によって選択に違いはありますか?

 

色温度(光の色)の選択はヒトの概日リズムに関連する太陽色温度をもとに,ヒトの活動内容に応じた環境光色温度を選ぶことが多いです。

たとえば、、、

■休息の場・・住宅,ホテル等でリラックスした雰囲気を出したい場所

・・・夕日の色温度のような暖色系(オレンジっぽい、すなわち低い色温度)の光

■活動の場・・事務所,体育館等で活発に活動したり働いたりしたい場所

・・・ヒトが一番活動的な時間帯の太陽色温度(白っぽい、すなわち高い色温度)の光

を参考に選択すると、過ごしやすい快適な空間となります。(水馬氏)

 

Q2. 今後デザイナーに必要とされる能力を知りたいです。

 

気候変動やSDGs、ダイバーシティ、ソーシャルデザイン、シェアリングエコノミー、コロナパンデミック、日本では人口減少、などなど、現代の社会活動や価値観は様々な変化の中にあると感じます。

この中でも未来に向けてデザインを発信し続けていく為に、広い視野や柔軟な価値観、シームレスな活動領域を持つ事、様々なステークホルダーとの協働の中でデザインを実現していく為の能力が必要だと思います。

 

照明デザインに限っては、照明制御の進化が進んでいるので計画施設の運営を理解する事が必要になると思います。(馬渡氏)

 

Q3. 電気の力を借りない自然光を利用した作品なども作っていますか?

 

太陽光の動きを追いかけて動く鏡を高層ビルの屋上部などに設置し、建物内に積極的に太陽光を引き入れ、人工照明のように自然光を利用する例などもたまに見かけることがありますが、窓から入る自然光を建物内に取り入れながら、センサーを使ってその量を測り、調光システムを使ってタイムリーに人工照明のバランスを制御することなどはよく行われています。

最近のプロジェクトでは、LEDの高効率化で自然光を取り入れて空調負荷を増やすより、ある程度の遮光をして人工照明を増やす方が総エネルギー量を減らせるという事例があったそうです。

 

また、屋外で蓄光などの素材を使って自然光を昼間のうちに集め、夜に発光させて照明の補完として段差を明示する、インジケーターとして使用することもあります。

 

建物自体を設計する際、太陽光の入射角が浅く、横からの窓の光を使いにくい北欧の建築家たちは、いかに太陽光を上手に建物内部に引き入れるかということに神経を使い、太陽光を間接的に使用したり、天井のシリンダーを通して拡散光として利用したりと、自然光を空間の光のデザイン要素として上手に使っている建物が多いです。私も特注照明器具の一部に窓からの太陽光を反射する板を取り付けて天井を間接的に明るくしたことがありますが、

照明デザイナーとしては自然光も人工照明と同じような扱いで、空間の中の光の要素の一つとして提案の一部に入れたいという気持ちはいつもあります。

 

また、昼間のうちに太陽光で発電しておいて、蓄電して夜間照明の電力として利用するなど、なるべく自然エネルギーを使っていくような提案も照明デザインの中に盛り込んでいくことが責務かと思います。

 

Q4. 今回のセミナーでは、都市照明から植物まであらゆる方法の照らし方があることを学

びました。 都市照明デザインと植物や建物の良いところを照らすデザインをするに

あたり、「綺麗に照らす」以外に意識している演出はありますか?

 

都市環境の中での照明デザインは、隣り合う建物の照明や道路の照明など、既存の周辺環境との調和を考えていくことが大切です。

まちなみの夜間景観を整備していく場合、

「まぶしい街路灯に、遮光シェードをつける」

「ハイパワーな投光器を用いている既設ライトアップの照明の角度を変えて、光が対象物以外に漏れないようにする」

など、不快な光・不要な光を修正していく、光の引き算を行うことも非常に大事だと考えています。

新しく照明を追加しなくてもそれだけで光環境が改善される場合もありますし、綺麗に照らした対象を引き立たせることにもつながります。(中村氏)

 

庭園でのライトアップで植物を見せる見せ方には、植物そのものに光を当ててキ レイに

見せる見せ方がひとつ。植物を影(シルエット)として見せる見せ方もひとつの演出とな

ります。例えば、地面にモミジの影を落として見せたりすること もあります。(原田氏)

 

Q5. 今まで携わった事例のなかで、一番やり辛かったのはどんなプロジェクトでしょう

か?また、どんなところが難しい、やり辛いと感じられましたか?

 

コミュニケーションがうまく取れなかったプロジェクトでしょうか。

建築家やインテリアデザイナー、施工者、電気設備の担当者、照明器具のメーカー、クライアント…と、小さなプロジェクトでも、多くの立場の人がかかわるのがデザインだというこ

とを日々感じていますが、照明器具の納まりを確認したいのに該当する図面が作図されて

いなかったり、知らない間に勝手に照明計画を変更されたり、と照明デザインの意図を伝え

る機会を無くされると、どんどん実現が難しくなります。

結局は人と人との仕事なので、照明デザイナーとしてチーム内で尊重してもらえるように

振舞いたいと心がけています。(中村氏)

 

弊社ではライトアップを設計から施工(電気工事)まで手掛けているため、実際に自分自

身で照明器具を動かしたり、光の向きの調整を行ったりしています。そうした施工までは

手掛けずに、設計のみを行い、監理として現場の職人さんに指示を出して光の調整を行う

場合にやり辛さを感じることがあります。

こちらの光の意図がなかなか伝わらないと、自分自身で動かして調整した方が早いと思っ

てしまうことがあります。(原田氏)

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