Dr. Amardeep Mohanlal Dugar
デザイン、教育、研究など、照明に関するあらゆる事柄を推進する建築家としてLighting Research & Designを設立。さまざまな注目プロジェクトに携わり、複数の建築・デザイン学校で教鞭をとるほか、学生とプロを対象とした実用的な体験学習型の照明インスタレーション制作ワークショップ IALDインド照明ワークショップの企画に奔走する。
インド支部はIALDで最も新しい支部の1つで、アマディーブ・M・デュガー氏はインドにおけるIALD組織拡大の責任者として、照明デザイン業界のリーダーシップと研修のモデルを開発、実行しました。発展途上のマーケットで、いかにして照明デザインを組織的に普及させるかを、インドでの自身の体験をもとに話しました。
デュガー氏は、リーダーシップ開発の主要な要素として、「個人」、「グループ」、「コミュニティー」、「プログラム」の4項目を挙げます。照明デザインにおける「個人」とは照明デザイナーや講師、学生などのことで、「グループ」とは国内の各地域や支部のことを指します。「コミュニティー」とは、建築家やインテリアデザイナーなどとの異業種交流の場を意味し、これらの人々を動かすための施策が「プログラム」で、「環境」、「意識」、「活動」、「効果」という観点で検討されます。
デュガー氏によれば、インドにおける照明デザインの「環境」とは、世界で2番目に人口の多い国(13億人)にも関わらず、当時照明デザイナーと呼べる人はインド全土で40人程度しかいない、照明のマーケットが未整備でLED照明を上手く利用できていないなどの現状を意味します。「意識」とは、照明デザインは割に合わないとか、照明デザイナーは建築家や設備設計者とコラボレーションする必要がないというような、インド社会全体の照明デザインに対する意識です。このような現実を踏まえて、リーダー育成に取り組まなければならないと、デュガー氏は言います。
そこで、デュガー氏が推進した「活動」が、学生をターゲットにした3日間のワークショップでした。ポイントとしては、1)照明デザインに関する基本的知識の啓蒙、2)学んだ知識の迅速なマーケットへの適用、3)費用の節約などが挙げられます。このような考えをもとに、インドの主要8都市でワークショップを行い、学生だけでなく電気工事関係者やプログラムの運営者など総勢1500人余りの人たちを巻き込んだ照明デザインの普及活動が展開されました。
その「効果」としては、以前より多くの人が照明デザインに対して関心を持ったとか、メディアへの露出が増えたと言うことだけでなく、何よりもこれらの活動を通して多くの関係者が、意思決定、コニュニケーション、移譲などのプロセスを体験することで、照明デザインを普及するためのリーダーシップを体得することができたことだと、デュガー氏は言います。
【日時】2019年03月06日 13:00-14:00
【会場】東京ビッグサイト 会議棟1階 101会議室
【プレゼンテーション】アマディーブ・M・デュガー氏(ライティングリサーチ&デザイン創設者&プリンシパル)
【主催】日本国際照明デザイナーズ協会、日本照明工業会、日本経済新聞
Dr. Amardeep Mohanlal Dugar
デザイン、教育、研究など、照明に関するあらゆる事柄を推進する建築家としてLighting Research & Designを設立。さまざまな注目プロジェクトに携わり、複数の建築・デザイン学校で教鞭をとるほか、学生とプロを対象とした実用的な体験学習型の照明インスタレーション制作ワークショップ IALDインド照明ワークショップの企画に奔走する。