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イベントレポート

2026.02.24

照明デザイナーズ・フェス 2025

【第1部:照明トレンドオンステージ 「3つのコレカライト」】
テーマ1:今どきのグレアレス
このテーマでは、空間デザインの光の質を向上させる「グレアレス」を軸に、3社の照明設計のこだわりや展望が示されました。ライティング創は、アルミ削り出しによる質感と精度の追求、器具の存在を感じさせないミニマムデザインを目指す姿勢を示しました。コイズミ照明は、システム天井に対応するライン照明のグレアレス化や、今後の展開として制御連動による「快適な光空間」の提供について語りました。YAMAGIWAは、BEGAの屋外照明を通じて、光害抑制や周辺環境に配慮した光のあり方を提唱。3社の取り組みを通じて、次代グレアレスは「眩しさの解消」を超え、空間や環境、人に寄り添う光へと進化していることを感じました。

テーマ2:スポットの行方/筒形シンプルスポット
小型化・多機能化が進むスポットライトの最新技術と展望が語られました。ワイ・イー・ブイは手のひらサイズのガーデンライトを中心に、屋内や植物育成まで広がるボーダレスな展開を提示。トキ・コーポレーションは、φ12mmの極小サイズスポットライトを15年にわたり継続しつつ、配光や調光のシステム化による「ライティングデザインの自由度の最大化」を提唱しました。ウシオライティングは、φ25mmの超小型スポットライトをデザイン照明の領域へと昇華させる、屋内外のボーダレスなデザイン統一への志向を語りました。フリートークでは、CASAMBI対応や「昭和レトロ」の復刻など、機能と個性の双方向から進化するスポットライトの未来像が共有されました。

テーマ3-1:これからの照明/DCV48の未来
DC48Vトラックシステムの優位性と加速する器具の極小化について、3メーカーより発表頂きました。トレックスは、光源のLED化から、2017年のDC48V登場を経て、器具の圧倒的なコンパクト化が進む現状について、Filorailを例に挙げ、電源別置によるスポットやペンダントのコンパクト化を強調しました。大光電機は、安全性が高く、配線距離や接続台数に優れる48Vの利点を解説するとともに、空間から器具の存在感を消すことを提唱しコンパクト化を進めた「48Vトラックシステム」の商品展開を紹介しました。Viabizzuno partnertokyoは、Made in Italyの思想のもと、光の質を重視した48VレールとCASAMBI制御により、基礎照明から演出までを担う新たなトラックレールシステムを紹介しました。48V化が単なる小型化に留まらず、高品質な光を自在に配置するための標準仕様となりつつある現状を知る機会となりました。

テーマ3-2:これからの照明/新光源
これからの照明の切り口として、光源における最新のテクノロジーをご紹介頂きました。日亜化学工業は、イエローリングを抑制したレンズレスのハイパワーLEDを展開しており、高品質を維持しながら光束を5%向上させ、二次光学系の小型化を実現しています。また、LEDの100~1000倍以上の光の密度を持ち、高い直進性・集光性を活かした半導体レーザー光源や、水回りを含む空間での安全性とメンテナンス性を備えたレーザーライン照明の提案などもあり、業界は進化し続けていることを実感できる内容でした。

【第2部:ライトトークサロン 「照明デザインと測定器」】
戸恒浩人さん、目黒朋美さんを司会に迎え、「照明デザインと測定器」をテーマとしたトークサロンを開催。3社のメーカーによる最新の測定器の紹介から、照明デザイナーが実際に使用しているユニークな測定道具まで幅広く取り上げ紹介されました。

冒頭、富田泰行さんが照度測定器との出会いを思い出とともに振り返り、馬場美次さんによる「精度比較検証」では、ブランドによる精度の差異についてユーモアを交えて報告があり、「正しい測定はブランドを信じること」という、道具選びの流儀が示されました。
続いて、コニカミノルタ、セコニック、岩崎電気の3社による最新機器紹介がありました。

コニカミノルタは、1968年アポロ計画で採用された「スペースメーター」に起源を持つ信頼性と、JIS AA級準拠の高精度照度計・輝度計を紹介。セコニックは、1949年国産初の露出計からスペースシャトル搭載機に至る伝統を背景に、新製品をはじめとするシリーズ製品ならではのシンプルな操作性、スマホ連動によるスペクトルグラフ表示、図面への測定値取り込み・共有機能を紹介されました。岩崎電気からは光環境評価システムQUAPIXの進化が語られ、LED時代に必須となった輝度設計を支えるアプリの開発経緯や、ドローン・レポート対応の可能性までが示されました。加えてVTL社による画像処理や、スマートフォンを活用した新たな測定技術の開発動向も共有されました。

後半は、照度測定・輝度・色温度・演色性を切り口に、照明デザイナーそれぞれのこだわりや実践的なトピックスが紹介されました。キャップ(帽子)の頂部に小型の照度計を取り付けたオリジナルの機材で混雑する万博会場の照度を測定したエピソードが披露されたり、屋外照明における輝度設計の考え方、竣工写真撮影時の色温度調整の工夫、美術館照明における演色性評価や色の再現性を評価する新指標TM-30の捉え方など、明日からすぐ照明デザインに活かせる、現場に根差したリアルな実体験や知識が共有されました。

【第3部:特別イベント 「未来につながる光」】
早稲田大学のイルミネーション同好会による企画として、フォトイベントを開催しました。小学生から大学生、シニアまで幅広い世代が撮影した50枚の写真について、まずタイトルのみを提示して想像を膨らませ、その後に写真と解説を通して“未来につながる光”だと感じた3枚に投票する形式で進行しました。タイトルが哲学的で心象的なものから、心温まるユニークな視点のものまで、感性に訴えかけるような写真が次々と登場。来場者および特別審査員の岡本賢さんによって選ばれた作品の提供者には、トキ・コーポレーションに提供いただいた賞品が授与されました。

【第4部:懇親会 「照明の未来」】
乾杯の前には司会の稲葉さんより「照明の未来は明るい」との宣言があり、色温度は「絶対的な評価ではなく、比較で見ていく」、照度は「データに忠実すぎるのではく、アバウトでいい」といった、イベントの中で印象に残った言葉を挙げ本日のイベントを総括し、懇親会がスタートしました。

会場では、飲み物を片手に懐かしい人と歓談したり、世代やメーカーの垣根を越えた情報交換が行われるなど、親睦を深める姿が見られました。合間には豪華賞品をかけた「照度当てクイズ」で盛り上がり、フォトイベントの投票結果の発表と賞品授与が行われました。

終盤には、フォトイベントを企画してくれた早稲田大学のイルミネーション同好会からの器具提供のお願いに、快く応じてくださるメーカーも複数おられるなど、「照明の未来は明るい」と確信させてくれる、活気あふれる交流の場となりました。

【日時】2026年11月27日(木)12:00-19:30
【会場】MY Shokudo Hall&Kitchen(TOKYO TORCH 常盤橋タワー)
【主催】日本国際照明デザイナーズ協会